「すごい…」

キングサイズのベッドに
ソファが2つ
テレビも映画並みに大きい…

そして、高そうな絨毯にシャンデリア…


目眩さえ感じる程の大きさだった。


?「おい。ボケーっとしねーで座れよ。」

男は、ソファーに座っていた。

私は、圧倒され過ぎて大人しく男の横へ座っていた。


?「あのさー、そんなにキョロキョロすんなよ。」

「あっごめん。」


男は私を見た。


?「お前、名前は?」

「え?」

?「そーいやー聞いてなかったと思って」

「そっか。忘れてた。私は、かのん。」

?「かのんか。俺は、ちひろ」

「ちひろ…。」

ちひろ「ぁあ。よろしくな。」


俯いて、黙った私にちひろは続けた。


ちひろ「なあ、お前何でそんなボロボロなん?」

「さーね。ちひろには分からない」


私は、そんな事を口走っていた。


ちひろ「そっか。でも、お前もう死のうとすんなよ。」

「あんたに…」

ちひろ「ん?」

「あんたに、なにがわかるのよ!!!!」


急に怒鳴った私にびっくりしていた。


ちひろ「分からねーよ。まだなんも聞いてねーからな」


私は黙り込んだ。


ちひろ「じゃあ、俺からはなそーか。なんでお前を助けたか。」


私は、なにも答えなかった。
こんな裕福な暮らしをしていて、何一つ困ったことのなさそうなぼっちゃんに、私の何が分かるってゆうんだよ。


ちひろ「何も答えなくていいから、聞いてくれな。俺、生まれつきここが悪いんだ。」


そう言ってちひろは左胸を軽く叩いた。


ちひろ「だから、命を無駄にして欲しくなかった。」

「そんなん嘘に決まってる。綺麗事ばっか並べないでよ」


私はちひろの言っていることを全く信じてなかった。


ちひろ「まあ、信じなくていいや。」

「なんだそれ。」

ちひろ「だって、信じろって言った所でお前は信じねーだろ?」

「…」

ちひろ「じゃあ、次はお前な。」


私は、なぜかこの人なら話してもいいと思ってしまった。
まだ出会ってたった数時間の人に…