ーかのんー


ちひろのは真っ白の顔をし、少し眉間に皺を寄せ眠っていた


「ちひろ…」


ちひろに会えた安心感と不安で涙がこぼれ落ちた。


ちひろ「ん…」

「ちひろっ?!」

ちひろは薄ら目を開けた。

ちひろ「かのん…?」

「うん。そうだよ?分かる?」

ちひろ「ぁあ。お前なんでここにいんだよ。」

「だって…」


ちひろは今まで見た事のないくらい怖い顔をしていた。


「ごめんなさい…ハァハァ」


また始まった。
でも、ちひろに気付かれないように必死で呼吸を抑えていた。


ちひろは私の顔をみず、目を瞑りそのまま言い放った。


ちひろ「帰れ。」


私は何も言えず、俯いた。
その間にも呼吸が乱れて、身体が痺れて来ていた。


何も答えない私に痺れをきらし、もう一度言い放った。


ちひろ「聞こえねーのか。帰れっていってんだよ。」

「…ごめん」

私はとても小さな声で謝り、立ち上がろうとした。

でも、足に力が入らず大きな音を立てその場に崩れて落ちた


そこでようやく、ちひろが私を見た。


ちひろ「かのんっ!!」


ちひろは私に駆け寄って背中をさすってくれた。
でも、私はその手を振り払い、立ち上がってドアノブに触れた


ーガチャ


ドアが開くのと同時に私は倒れ込んだ。


あれ?痛くない


私は入ってきたゆうたさんに支えられた。


ゆうた「おっと!って、どうしたの?!」

「ハァハァ…なんで…も…ハァハァない…ハァハァ…です…」

ゆうた「なんでもなくないよね?ちひろ。どーゆーことだ。」

「ごめん…ハァハァ…なさい…ハァハァ」

ゆうた「おい!ちひろ。」


私はゆうたさんが支えてくれた手を振り払いドアに手をかけた。


ゆうた「おい!そんなんでどうやって帰えんだよ。」


ゆうたさんが心配してくれてるのは分かってる。
でも、今は2人が怖くて1人になりたかった。


「ハァハァ…ごめん…ハァハァなさい…ハァハァ」


そのうち2人の声がだんだん遠ざかり私の意識は途絶えた。