リビングには、見たこともない料理が並んでいた。

ちひろ「好きなだけ食べていいぞ」

「ありがとう…」

料理に手を付けない私を不思議そうに見ていた。

ちひろ「どうした?」

「ごめん…」

ちひろ「食べたいものなかったか?」

「違うの…私こんなんでしょ?だからマナーとか分からなくて…」


ちひろは大きな声で笑い出した

私は恥ずかしくて、俯いた。


お父さん「今はそんな事気にしなくていいんだよ。こらから少しずつ覚えていこう!」

ちひろ「そうだよ!今日はいつものように食べな!!」


私は、箸で一口食べた。

「おいしい…」

ちひろ「それはよかった!」

「ゔぅ…」

思わず口を押さえた。

ちひろ「かのん?吐きそう?」


私は必死で頷いた。


メイドさんが紙袋を持ってきてくれ私はそのまま吐いた。


「ごめんなさい…」

お父さん「気にしなくていいんだよ。」


私は俯いた。


「私…」

言葉が出なかった。


お父さんは、メイドさん達を外へ出した。


「ありがとうございます。」

お父さん「ゆっくりでいいんだよ。」


私は大きく息を吐いた。


「私、ここ1週間ご飯食べてなかったんです…だから、お腹がビックリしちゃったみたいで…本当にごめんなさい。」


私は頭を下げた。


お父さん「そうだったんだね。こちらも配慮が足りなくてすまなかったな。」

「いえ。違うんです。私がなにも言ってなかったのがいけなかったんです。わざわざ出して頂いたのに…」

お父さん「かのんちゃん?なにかお家であったのかな?」


私はまた俯いた。


ちひろ「あとで俺から話す。だから、今は休ませたいんだけど。」

お父さん「ぁあ。そうだな。落ち着いたら来てくれ。」

ちひろ「ぁあ。」

「本当にごめんなさい。」


もう一度頭を下げ、リビングを出た。