どのくらいだっただろう。
私は目が覚めた。

横には怖い顔したちひろが居た。


「ごめん…」


私は俯いた。
ちひろはなにも言わなかった。


「帰るね。ありがとう。」


そう言って立ち上がるとグイッと引っ張られそのままベッドへ戻された。


ちひろ「どこへ帰るつもりだ。」

「家だけど…」

ちひろ「はあ…」


ちひろから大きなため息が聞こえた。


「あっ。そっか。服ね。クリーニングしてから、ちゃんと返すから。今日は貸してね。」


ちひろ「バカじゃねーの。服なんていらねーよ。」

「そうだよね…私の着た服なんて汚くていらないよね。ごめんね…」


私はそう言い、ちひろの腕を振り払い部屋を出た。


飛び出したはいいけど、広すぎる…


?「どうしたのかな?」

振り向くとそこにはちひろにそっくりな男の人が立っていた。


「あ…あの…玄関どこですか?」

?「ん?あっちだよ?」

「ありがとうございます!」


私は、頭を下げた。


ちひろ「かのんっ!!!!」


振り向くとそこにはちひろが走っていた。


?「ちひろっ!!!お前なに走ってんだ!!!」

ちひろ「うっせー。いまはそれどころじゃねーんだよ。」

?「親に向かってその言葉遣いどうにかならないか。」


お父さんは、頭を抱えていた。


ちひろ「こっちこい。」


そう言い、私を引っ張った。

すぐにちひろは立ち止まり、振り向いた。


ちひろ「おやじ!今日こいつ泊まるから。」


そう言い返事も聞かずまた歩きだした。