「…ところで」と琥白が美影を見つめながら言った。

「2人も変わったよな」

「そっちだって」

美影が、琥白の呟きに返す。桜と杏奈ちゃんはまだ私と瑠梨にくっついている。私は、桜と杏奈ちゃんに「桜、杏奈ちゃん。良いもの見せてあげる」と言った。桜と杏奈ちゃんは、私の方に注目する。

私は、チラリと美影を見た。その視線に気づいた美影は、そっとその場を離れる。そして、私は、桜と杏奈ちゃんを連れて飲食店の少し広い場所に行く。琥白と瑠梨も付いてくる

「この手のひらには、何もありません」

私が何も持っていない手を2人に見せる。2人は、好奇の目を向けていた。

私は、魔法をかけた。その瞬間、ポンッと音がし、私の手の中に花が現れる。

「え!?」

桜と杏奈ちゃんの声で、色んな人が私を見る。私は、構わずに続けた。

無言で、その花に魔法をかける。花は、私の手から消えていた。その光景に、琥白と瑠梨以外の人が驚いている。

「花はどこに行ったのでしょうか?」

私が問いかけると、私の近くの壁の裏に隠れていた美影が現れた。

「ここです!」

美影の手には、私が出した花が握られている。私が魔法で美影の所へ花を移したのだ。

周りから拍手が起こる。魔法学校に通っていた私達にとっては使うのが簡単な魔法だが。

私と美影は、同時に頭を下げた。琥白と瑠梨が「すごい…」と同時に呟いた。…あなた達もこれぐらいは出来るでしょ。