「私と琥白の同級生で、同じ魔法学校に通っていたんだ。こっちが、私の親友の近藤 氷翠。こっちが、氷翠の旦那さんの近藤 美影」

瑠梨は、私と美影のことを紹介する。桜も言いたそうにしていたので、私は「自己紹介して良いよ」と桜の肩を軽く叩く。

「桜は、近藤 桜!5歳!」

笑顔で言った。桜を見た琥白が「桜ちゃんって美影みたいだな」と呟いた。それを聞き逃さなかった美影は「杏奈ちゃんは、瑠梨さんみたいだよね」と言って微笑んだ。

「皆さん、よろしく。さぁ、席に案内します」

店長が微笑んだ。この飲食店は、人気の店だ。たくさんの人で賑わっている。

私達は、案内された席に座る。店長は「ご注文が決まりましたら、このボタンを押してくださいね」と微笑んで去っていく。

桜は、私と美影に挟まれて座っている桜に「何が食べたい?」と聞いた。桜は迷わずに「これ!」と言った。

「…やばい」と桜の隣に座った美影が呟いて、目を背けた。

琥白は「どうしたんだよ?」と言って美影を見る。美影は、「…えっと、僕の元両親が……」と言った。

「…美影だよな。久しぶり」

美影の生みの親が美影の姿を見つけて寄ってきた。美影は「…外で話そうよ」と言って、生みの親を連れ出した。

「私、美影の様子見てくる。桜はここにいて!」

私は、その場で魔法を使って、路地裏にいる美影の近くまで来る。私は物陰に隠れていた。普通に会話が聞こえてくる。

「何で僕に関わろうとするの?」

「美影が大事だから」

「僕に関わらないでよ…!」

「ごめんなさい。許して…」

美影の生みの親は、泣きそうな顔で美影を見る。美影の生みの親の側にいた少女が口を開いた。

「美影お兄ちゃん…だよね?私は、篠原 葵。12歳なんだ」