「おばあちゃん!おじいちゃん!」

桜は、美影の両親に抱きついた。美影の両親は、桜に「桜ちゃん。良く来たね」と言って微笑んだ。

「美影と氷翠ちゃん…久しぶりだな。元気にしてたか?」

美影の父が私と美影を見ながら、微笑んだ。私は「元気にしてますよ」と微笑み返す。

「お母さん、お父さん…これ、もう渡しておく」

美影は、1つの花束を差し出す。美影の両親は無言でそれを受け取り、心配そうに見つめた。

「心配しないで。もう大丈夫だから…って英太にそう言ってほしいんだ」

美影は、微笑んだ。英太は、美影の双子の弟だ。交通事故に巻き込まれ、命を落とした。

美影の母は「分かったわ…」と言って、切なげに笑う。

「さて…待ち合わせ場所に行こうか。桜、行くよ」

今日は、琥白と瑠梨に会う日だ。待ち合わせしたのは、魔法学校の図書館。その寄り道として美影の実家に来ていた。

「桜は、まだここに居たいよ~!」

「今日、お母さん達は友達と会う約束をしているんだ」

私がそう言うと、桜は「そうだった!行きたい!」と言って私に抱きついた。