「氷翠(ひすい)、話があるんだけど…」
美影が私の名前を呼ぶ。私の名前は、近藤 氷翠。美影の奥さんだ。
ご飯を咀しゃくしていると、美影が口を開いた。
「どうしたの?」
「仕事の帰り道で、琥白(こはく)と会ったんだ」
私と美影は、魔導師として働いている。魔導師は、魔法で人を喜ばせたり、魔法学校へ講師として行ったりしている。
「琥白と?久しぶりじゃない?」
「久しぶりだったよ」
美影は、お茶を1口飲んだ。そして「少し話していたら、僕の家族と琥白の家族で会おうって話になってさ…」と言った。
「なるほどね…私も会いたいな」
桜に目を移す。桜は、満足そうに眠っていた。私は、桜の頭を優しく撫でる。
「また、琥白の働いている店に行ってみる…桜、寝てしまったのか」
私の隣に座っている桜を見た美影は、立ち上がって桜を抱き上げた。