「佐野くん、もう放課後だよ」

…全く起きる気配なし。


今度はさっきよりも強めに肩をゆする。


「佐野くん、起きて!!」

「……起きてる」


やっと起き上がった佐野くんは、

寝ていたせいで前髪がボサボサで、

いつも見えない目が見えて、


そのお陰で初めて、佐野くんと目があった。


目があった瞬間、全身に衝撃が走った。


その瞳があまりに綺麗で、

佐野くんと目があっただけで、体がすごく熱くなって

胸がドキドキし始めて、


なんで自分でこんな事を言ったかわからない。