『かなり腫れてますね。』





ナースステーションで看護師と幸治、お父さんの三人でかなの状態を話している。






『お前は……毎度、毎度…。』






『あいつは言っても分からないからいいんだ。』






未だに怒りが冷め止まないようで、椅子に座ってイライラしている幸治に、呆れ顔の父、そして、それを不安そうに見守る看護師。






『耳も痛そうでした。耳鼻科の先生にも診てもらった方が…。』





『そうだね…こちらからお願いしておくよ。幸治も診察に立ち会うか?』







『いや、いい……。』





『かなちゃんがどうしてあそこにいったのか、ちゃんと話を聞いた方がいいんじゃないか?』





『そんなことはしなくていい。ほかっとけばいいんだ。






今の状況を分かってないんだ。
親父が部屋にいる意味も考えないで……。』





さらにイライラした幸治は、立ち上がりナースステーションを後にした。







『はぁ、我が息子ながら困ったもんだね。まぁ、気持ちは分かるけど。




とりあえず興奮して喘息発作が出るといけないから、吸入させて…それから耳鼻科の先生の診察を受けさせようか。』





とそばにいる看護師に伝えた。