『かな、おはよう』





そうはっきり聞こえて、目を開けると目の前にはジャクソン先生が私を覗き込んでいた。





『起きた?』





私の手首で脈をとっている。






手には聴診器も体温計も持っているところから、こらからなのか…既に終わっているのか。






『かなの心音って、結構速い?』





もう、終わっていたようだ。





「はい。




移植のことは…。」






『あぁ、全て聞いたよ。それからずっと速く動いてるんだね。




まぁ、気にしなくていいよ。主治医さえそのことを知っていればね。』






そういうものなのか…。






『起きて、朝ごはんにしよう。』





そう言われてゆっくりと体を起こし、ベッドを整えたら、ジャクソン先生の後ろを歩いてキッチンに向かった。






ジャクソン先生に用意してもらった朝ごはんを済ませて、昨日着ていた服を着て、先生と一緒に家を出た。







昨日、ここまで来た記憶はないので、病院までが分からないと思って先生の後ろを歩いていたけど、すぐにコテージに着いて、その先を行くと大学、病院、そして寮にたどり着いた。







『僕は病院に向かうけど、まだ早いしかなは着替えてゆっくりおいで。』






「本当にありがとうございました。」






お礼を述べて寮に戻った。