部屋に着くなり入ってきたのは、
『遅かったな。』
いや、ノックはしましょう…。
『薬飲むの、今頃なんだって?』
たけるだな…
『まぁしょうがない。救急はかなり忙しそうだったしな。とりあえず横になって。』
帰ってきて早々に部屋に入り込み、診察するから寝ろと言う椎名先生。
逆らうはずもありません。
従います。
上着を脱いでハンガーに掛けて、ベッドに仰向けになってシャツのボタンを外す。
上から二つ目のボタンを外す頃に、椎名先生の聴診器を持つ手が入り込む。
少ししてその手が離れる。
『まぁ、いつも通り素敵な音。』
たぶん雑音のことだろう。
『このまま様子見だな。
俺は明日から少しの間、病院に泊まり込むから。ここには帰ってきた時に診察するけど、いつになるかは分からないからな。』
『わかりました。』
詳しくは聞いていいのかわからないので返事だけした。
『じゃあ何かあったら連絡するように。』
そう言って荷物を持って出て行った。
はぁ。嵐の様なお方だ…。
疲れた体がさらに疲れた気がした。



