どれ位時間が経ったのか。
動く事が出来ずにソファーに座ったまま時間が過ぎていく。

ピンポーン

そんな中、部屋に来客を知らせるチャイムの音が鳴り響く。
出なきゃ…、
そう思っても立ち上がる気力が湧かない。

ピンポーン

またも鳴り響くチャイムの音。

…誰だろ、
いいや、もう…。

もう、どうでも……、


「芹那ー?」
!!!

微かに聞こえた、涼太が私を呼ぶ声に
私はやっと立ち上がり玄関へと急ぐ。


「涼太!?」

「なんだ、やっぱいるじゃん」

ドアを開けると目にうつる涼太の姿。

「いないのかなーって思ったけど、芹那今日は予定入れてないって言…」

涼太の言葉を最後まで聞かずに
私は涼太の胸に飛び込んだ。

「…芹那?
どうした?」

頭の上から降ってくる涼太の声は、
どうしようもない位、優しくて…、

「涼太…」


気づくと私は涼太の胸の中で、泣いていた。

そんな私を、
涼太は何も聞かずに、ただ優しく抱きしめてくれた。










ねぇ涼太。
私、離したくない。

涼太の全て、
私、離したくないよ。

だけど、


もしも、
もしも私が……。