病院に着き、受付を済ませ待合室の椅子に座る。
落ち着かないのか、芹那は周りをキョロキョロと見渡している。
「何キョロキョロしてるんだ?
何度か来てるだろ?」
「そうだけど…」
…念のため、一応、皆受けている、
そんな言い訳を並べても、もしかしたら芹那は何か感じとっているのか?
そんな考えが頭をよぎり、俺は思わず拳を握る。
「芹那ちゃん!
と、おまけで棗!」
そんな中、耳に響いた声。
「中山さん!
お久しぶりです!」
不安そうな表情から笑顔になり白衣を着た男に返事を返す芹那。
「うーん!やっぱり可愛いねー!
彼氏出来ちゃったって聞いたけどマジ?
やめなよ同い歳の彼氏なんてさー。
俺なら芹那ちゃんの事大人の包容力でしっかりと…」
「黙れロリコンが」
白衣の男の言葉を遮りそう言い放った俺に、
その男は口を尖らせる。
「30も近い男が気持ち悪いんだよ。
つーかお前今俺の事おまけっつったろコラ」
「まーまー、そんな怒った顔しないで!
ほら笑って笑って!
スマイルスマイル!」
そう言って笑う男に、芹那もつられて笑い出す。
「ってかお前何こんなとこで油売ってんだよ、サボんな働け」
「久しぶりに会う親友に酷くない!?
ってか今日芹那ちゃんの検査するの俺だから!」
「お前が!?」
「そっ!お前の親友でイケメンエリート、患者さんにも看護師さんにも、調理場や掃除、売店のおばちゃんにもモッテモテ!彼氏にしたいお医者さんナンバーワンの俺!中山翔太!」
そう言ってどこのアイドルだってカンジのウィンクとピースをする翔太を見て
俺は大きなため息をこぼす。
そんな俺を見て翔太は
酷くない!?ねぇ酷くない!?
とか騒いでる。
中山翔太、
俺の中学時代からの友人だ。
大学は俺は法学部、翔太は医学部へと進んだが、
それでもよく連るんでた。
そんな俺達の間はお互い就職してからも変わらずだ。
俺が地元を離れて会う事は少なくなったが、それでも会えば昔のまま。
何だかんだいって、翔太の言うように
俺も翔太は親友だと思っている。
「中山さんが検査してくれるんですか?
ちょっと安心したー」
「任せてよ芹那ちゃん!
俺がじっくり隅々まで余すとこなく検査して…」
「黙れ」
「サーセン」
俺達のやりとりを見て楽しそうに笑う芹那にホッとする。
「それじゃ芹那ちゃん!
さっそくだけど採血からするから、そこの部屋に入ってね。
中で看護師さんが待ってるから」
「え?いきなり採血?」
「あ、もしかして怖いの?
しょうがないなぁ、俺が手を握っててあげよっか? 」
相変わらずのテンションで芹那の手をとる翔太の頭に拳骨を落とす。
それを見た芹那は、翔太に謝りながら部屋へと入っていった。
「少しは加減して!?
俺、一応医者なんだけど!?
馬鹿になったらどうすんの!?」
「知ってるよ。
一応なんかじゃなく、お前が人の何倍も努力して
いつだって患者に寄り添って自分の事なんて二の次のお人好しで優秀な医者だってな」
そう、普段はチャラチャラしてる翔太は誤解される事もあるけど、
翔太の医者としての責任感、使命感、プライドは誰よりも大きい。
学生時代から人の何倍も勉強して医学部へと進んだ。
医者になった今でも、日々勉強を欠かさない。
だからこそ、父さんは芹那の検査を翔太に頼んだんだろう。
【神経内科医】の翔太に。
「…大体の事は久保田教授から聞いた。
お前にも聞きたい事あるんだけど、いいか?」
「あぁ」
分かってた、
芹那の症状から、
神経内科医の翔太に父さんが検査を頼む事は。
そして、もしかしたら、
この先も翔太に芹那をお願いする事になるかも知れない事も。
落ち着かないのか、芹那は周りをキョロキョロと見渡している。
「何キョロキョロしてるんだ?
何度か来てるだろ?」
「そうだけど…」
…念のため、一応、皆受けている、
そんな言い訳を並べても、もしかしたら芹那は何か感じとっているのか?
そんな考えが頭をよぎり、俺は思わず拳を握る。
「芹那ちゃん!
と、おまけで棗!」
そんな中、耳に響いた声。
「中山さん!
お久しぶりです!」
不安そうな表情から笑顔になり白衣を着た男に返事を返す芹那。
「うーん!やっぱり可愛いねー!
彼氏出来ちゃったって聞いたけどマジ?
やめなよ同い歳の彼氏なんてさー。
俺なら芹那ちゃんの事大人の包容力でしっかりと…」
「黙れロリコンが」
白衣の男の言葉を遮りそう言い放った俺に、
その男は口を尖らせる。
「30も近い男が気持ち悪いんだよ。
つーかお前今俺の事おまけっつったろコラ」
「まーまー、そんな怒った顔しないで!
ほら笑って笑って!
スマイルスマイル!」
そう言って笑う男に、芹那もつられて笑い出す。
「ってかお前何こんなとこで油売ってんだよ、サボんな働け」
「久しぶりに会う親友に酷くない!?
ってか今日芹那ちゃんの検査するの俺だから!」
「お前が!?」
「そっ!お前の親友でイケメンエリート、患者さんにも看護師さんにも、調理場や掃除、売店のおばちゃんにもモッテモテ!彼氏にしたいお医者さんナンバーワンの俺!中山翔太!」
そう言ってどこのアイドルだってカンジのウィンクとピースをする翔太を見て
俺は大きなため息をこぼす。
そんな俺を見て翔太は
酷くない!?ねぇ酷くない!?
とか騒いでる。
中山翔太、
俺の中学時代からの友人だ。
大学は俺は法学部、翔太は医学部へと進んだが、
それでもよく連るんでた。
そんな俺達の間はお互い就職してからも変わらずだ。
俺が地元を離れて会う事は少なくなったが、それでも会えば昔のまま。
何だかんだいって、翔太の言うように
俺も翔太は親友だと思っている。
「中山さんが検査してくれるんですか?
ちょっと安心したー」
「任せてよ芹那ちゃん!
俺がじっくり隅々まで余すとこなく検査して…」
「黙れ」
「サーセン」
俺達のやりとりを見て楽しそうに笑う芹那にホッとする。
「それじゃ芹那ちゃん!
さっそくだけど採血からするから、そこの部屋に入ってね。
中で看護師さんが待ってるから」
「え?いきなり採血?」
「あ、もしかして怖いの?
しょうがないなぁ、俺が手を握っててあげよっか? 」
相変わらずのテンションで芹那の手をとる翔太の頭に拳骨を落とす。
それを見た芹那は、翔太に謝りながら部屋へと入っていった。
「少しは加減して!?
俺、一応医者なんだけど!?
馬鹿になったらどうすんの!?」
「知ってるよ。
一応なんかじゃなく、お前が人の何倍も努力して
いつだって患者に寄り添って自分の事なんて二の次のお人好しで優秀な医者だってな」
そう、普段はチャラチャラしてる翔太は誤解される事もあるけど、
翔太の医者としての責任感、使命感、プライドは誰よりも大きい。
学生時代から人の何倍も勉強して医学部へと進んだ。
医者になった今でも、日々勉強を欠かさない。
だからこそ、父さんは芹那の検査を翔太に頼んだんだろう。
【神経内科医】の翔太に。
「…大体の事は久保田教授から聞いた。
お前にも聞きたい事あるんだけど、いいか?」
「あぁ」
分かってた、
芹那の症状から、
神経内科医の翔太に父さんが検査を頼む事は。
そして、もしかしたら、
この先も翔太に芹那をお願いする事になるかも知れない事も。