気づくともう空は暗く染まっていた。

ひとりにしてくれ、
そう、優斗に言って俺はひとり、
ベンチで過ごしていた。

優斗は
「ごめん」
そう、ひと言だけ残していった。

「ごめん、か…」

…俺の台詞だ。

分かってんだ、
優斗が俺の事を本当に心配してくれている事。

そんな優斗に対して、
今の俺は八つ当たりしているって事も。


だけど、ダメなんだ。

芹那がいないってだけで、

俺の世界は真っ暗なんだ。



芹那のいない世界がこんなにも苦しく悲しいものだなんて。




芹那のいない世界がこんなにも色のないものだなんて。




…俺はずっと、このまま生きていくのだろうか。







芹那を思い、涙し、
芹那のいない世界を憎み、恨みながら生きていく。








芹那の笑顔がみたい、
芹那の声が聞きたい、

ただ、




「…会いたいんだ、芹那」



ポツリとこぼれた言葉は

真っ暗な空に消えていった。