百万人の愛を選ぶか、一人の愛を選ぶか〜ロボットの選択〜

ガブリエラの結婚式に、カイとラファエル、ミカエラは参加した。

「お父さん、ミカエラ、ラファエル。ありがとう。……幸せに絶対になるね」

白いドレスを着たガブリエラは、泣きながら微笑んだ。

「……必ず幸せになるんだぞ」

「嫌なことあったら、いつでも戻って来いよ!」

ガブリエラを抱きしめ、泣くカイとラファエルを見ていて、ミカエラの胸にも初めての思いが宿った。しかし、私はロボットだという冷めた言葉でその思いは一瞬で消えた。

ミカエラは、涙を一滴も流すことなく、ガブリエラの式を見届けた。

ガブリエラは双子の男の子を出産した。生まれた双子の赤ちゃんを見て、ミカエラの頭の中に、ガブリエラとラファエルの赤ちゃんだった頃が浮かぶ。

双子の男の子は、ミッシャとシャルルと名付けられた。

その二年後、ラファエルも結婚をし、子どもを授かった。かわいい女の子だ。

「ミッシャも、シャルルも、この子も、とてもかわいいです」

目を細めるミカエラに、カイは「僕らの孫だ」と微笑む。

女の子は、ネーベルと名付けられた。