「ごめん、綾瀬のことそんな風に見たことなかった…」
今でもよく覚えてる。
困ったように眉を下げて、申し訳なさそうな顔をした竹内くん。
私はなんて返したんだっけ、
きっと頭が混乱していて変なことを言ったんだと思う。
2度目に告白したのは1度目の告白から三ヶ月後。
「え、お前まだ俺のこと好きなの?しつこくね?」
あの時の顔もよく覚えてる。
生ゴミを見るような目つきで私を凝視した竹内くん。
私はなんて返したんだっけ、ああそうだ。
「これからもずっと好きな予定です!」
って言ったんだ。
ますますドン引きした顔してたなあ、としみじみ思う。
そして3度目は、ついさっき。
「あー無理、女と待ち合わせしてっからいくわ」
そう言ってさっさと私の前から消えてしまった。
もはや竹内くん、私のこと見てなかった。携帯ガン見してた。
「……ねえなつか、悪いこと言わないから竹内はやめときなって…アンタの青春あの男のせいで棒にふることになるよ…?」
青ざめた顔で私の肩を揺するヒカルに力なく微笑む。
竹内くんを諦めるなんて、そんなの無理だ。
だって彼を諦めたら、それこそ私が私の青春を諦めたことになってしまう。
竹内くんは私の青春そのものなのだ。

