「うーわウザいくらいリア充の匂いがする…」
「え、まじ?
ちょっとまってアンタら、え、まじで?」
不意に頭上から降ってきた賑やかな声に顔を上げる。
半分しか開いていない目で此方を見つめる亮太くんと口に手を当てて動揺した様子のヒカルがいた。
「…あのあとうまくいったワケだ?俺が付き合ってって言った数分後にはうまくいっちゃったワケだ?
………逆さ吊りにすんぞ」
「ほんとごめん、亮太くんほんとごめんね!!ポッキー買ってきたからゆるして!ほらいちごポッキーだよ!!」
「なんでポッキーで許すと思われてんの?!どんだけチョロいと思われてんの俺!
まあ貰うけど!」
私の手からポッキーをひったくった亮太くんはそのまま箱を開けて豪快に食べ始めた。
その様子が半ばやけくそのように見えて少し良心が痛んだ。
「……なつか、竹内はチャラいし最低だしタラシだけどよかったね…っ、
なんか泣けてきちゃった…」
「オイ堂々と俺の悪口言うなよコラ。」
涙ぐむヒカルを見てなんだか私まで泣けてきてしまう。
長かった。
ここまで、長かった。