「パシリってさ、どうやったらもっと極められるんだろう」

「…え?

待ってなつかアンタ今なんて」

「究極のパシリを目指したい、竹内くんのために」

「ああこれダメだ。綾瀬さん目据わってるよイっちゃってるよこれ」


悲痛な声で泣き叫ぶヒカルと痛いものを見る目つきで私を見る亮太くんに囲まれて、
私は賑やかな昼休憩を過ごしていた。


「ちょんぎってやる、竹内アノヤロウちょんぎってやる…」

呪いの言葉を吐き続けるヒカルのお弁当から卵焼きをいただく。
口に放り込んだ卵が優しい味でほっとした。

「なんか言われた?陸に」

困ったように笑った亮太くんはまるで保育士さんのような顔で私を見る。

そうだ、できの悪い子どもを見る目つきだこれ。


「…なにも言われてないよ、
ただもう望みはないなって思っただけで…」

自分でも可笑しいくらいにしおらしい声だった。
私でもこんな声出せるのか、腐っても女子だったらしい。