目がさめると、目の前に飛び込んできたのは真っ白い天井だった。
喉が渇いて少し咳き込むと、なにやらベッドの上でもぞもぞと動くものがあった。
ふと目をやると、
突っ伏して眠る竹内くんの姿があった。
どういう状況なのか、至近距離で眺めたらいいのか、寝顔を写真に収めていいのか、どうしたら良いか分からずとりあえず光の速さで携帯を手に取る。
その時、
「…起きたか」
寝起きの低い声でぼそりと呟く。
眠たそうに目をこする竹内くんが可愛すぎて、いまここで天に召されてもいいと本気で思った。
「…何してんだお前、なんだその携帯」
私の手にある携帯を見て顔を引きつらせた竹内くんに愛想笑いをしてごまかす。
「私なんで保健室にいるの?みんなは?」
「亮太たちは帰った。
お前はなんかしらんけど急に倒れた。貧血らしいけどたぶん気のせいだろ」
なんだか真顔で失礼なことを言われた気がするけどそこはスルーして、
まだ眠たそうにしている竹内くんを出来るだけ目に焼き付ける。
「おら、帰るぞ」
ばちんと顔に投げつけられたカバンを抱えて慌てて竹内くんを追いかけた。