永島のオカメに対する燃え上がる炎のような欲情は早速次の日から襲い掛かって来た。
「カスオ、おまえオカメと一緒に風呂入ってんのか?」
「馬鹿な事言わないでよ、オカメはいつも一人で入っているよ。僕は母さんとならたまに入るけど・・・」

僕は正直にありのままを答えたが”母さんと一緒”が気に食わなかったらしく
「余計な事は言わんでいい!」と先ずは一発頭上にゲンコツが振り落とされ目から星が舞った。

つづけて「オカメはもちろん大事な部分に毛が生えてるだろうな?」とハロウィンのオバケのような笑顔で聞かれ
「そっ そんな事知らないよ、僕はまだだけど・・・」と下を向いて不毛地帯を見ながら答えた。

すると今度はその「僕は・・・」が気に食わなかったらしく
「聞かれた事だけに答えろ!」と二発目にエルボーが同じく頭上に落とされ目から火花が散った。

これ以上頭上に攻撃を食らうと確実に背が縮まってしまうので聞かれた事だけに素直に回答しようと決めた。
だがヤツの次の言葉に僕は耳を疑った。

「オカメのパンツ盗んで来い!」

しばらく固まってしまった僕は「WHY・・・」と外人のフリをしてしまった。

思えば御主人様には変体じみた理解に苦しむ行動が確かにあった。
つい先日もどこで手に入れたのか真っ赤な女性用のヒールを僕に履かせてカカトの尖った部分で踏んでくれといい、苦痛によがむその顔とは裏腹に
「もっと強く・・・」などと明らかに楽しんでいた。

つづけて永島は「洗濯前のヤツがいい、脱ぎたてホッカホッカを盗んで来い!」と言い
又しても固まってしまった。