【柚花】
今日から高校生
ストレートの髪を下ろして桜舞う木の下を歩きながら
学校へ向かう
「おはよ!」
そう私の肩をドンッと叩いたのは
幼馴染の 柊 花緒(ひいらぎ かお)だった
「もうほんとに柚花も高校生なんだし恋しちゃおうよ」
と花緒は言ってきた
そりゃあ私だって恋したいし彼氏だってほしい
でもいい人がいないのが悩み
まず恋なんてどうやってするのかも忘れちゃった
「いい人いればいいんだけどね」
そう私は苦笑いで言った
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クラスも花緒と同じだったし高校生活楽しくなりそうだな
花緒なんてもうクラスに馴染んじゃってるし…
彼氏もいるし…

「柚花!」
いきなり花緒に名前を呼ばれドキッとした
「どうしたの?」
私はちょっと遠慮がちに聞いた
「だって柚花ぼーっとしてるんだもん」
「あーごめんごめん!」
私は笑いながら言った
「てかさ柚花の隣の男子まじイケメンじゃない?」
そう花緒が目を向けたのは高瀬大樹(たかせだいき)だった
まあ顔は花緒が言う通りイケメンだった
「柚花さ高瀬にしちゃいなよ」
「え?!」
高瀬くんクールそうだし目付き怖いし…
そんなくだらない話で盛り上がっていたら
いつの間にか学校も終わっていた