ぶつくさと呪文の様に文句を心中でぶち撒ける。よく一度吐き出した言葉はもう二度と戻らないというけれど、今は大丈夫だろう。心の中で吐き出す分には誰も傷つかない。
「東京なんてつまらない場所のことはさて置き。」
ほら言った
「また一緒にここで星を見ようよ。」
「へ？」
思わず出た間抜けな声に、身体中に熱が疾る。すると、今度はプッと言うなんとも人を小馬鹿にした様な笑い声が聞こえる。
「はははっ、そんなに急なこと言った？もしかして考え事？ふふふ。」
無邪気に笑う彼女の声に、僕も笑みをこぼす。
「ねえ？一緒に見るの嫌？」
コロコロした声で彼女が僕に問う。
「え、あー、うん、いいよ。」
挙動不審になって思わず出たイエスに自分でも戸惑う。
「本当ー？！ヤッター！！」
純粋な気持ちが擽られる無邪気な声。僕はそれに思わずドキッとする。
なんだか、胸が熱い。なんなんだ？
今の今まで掴まれていた頬が解放される。そこに触れると、今度は熱い。でもそれは、彼女が僕に長い間触れていたことが原因とは言い難い。
なんなんだ？この気持ち、心臓が破裂しそうだ。