真後ろにいる彼女が気になって、とてもじゃないけど星どころじゃなかった。
ずっと触れているその手に、僕は終始ドキドキしていて、途中で話しかけられたけど、上手く返事が出来なかった。
そうしているうちに、星の海の魚達は、ちらほらと海の深いところまで潜っていってしまった。
とうとう最後の一匹だ。
「あーあ、終わっちゃった。」
悲嘆の声とともに、僕の頬に当てられていた手がスッと離れていく。
「ねえ、あなたはいつもここで星を見ているの?」
会話は唐突に始まった。
「えぇ?あー、うん、そう、だよ…!」
変に意識して、可笑しいくらいに声が裏返る。
「ふーん、そうなんだ。」
彼女から質問をしてきたくせに、なんだか興味なさそうな答えが返ってきて少し苛つく。
「あなたはこの辺りに住んでるの?」
「あ、うん、そうだよ、君は?」
「ふーん、私は昨日ここに来たばかり。」
それだけ言うと、次から次へと僕へ質問を投げかけてきた。僕も質問を投げ返し、上手くキャッチボールをやっている。
「あなたは今小学生?中学生?高校生?」
「え?僕は中学二年生だけど…?」
「へー、私と同い年だ。」
どう考えても適当な質問に少し疲れてきた。
今度は僕からも質問してやろう。