「用事があったみたいです」
「あー…用事、ね」
ぼそっと呟いた太陽くん。
すると、彼は観葉植物の前まで足を進め、じょうろを手に取った。
「じゃあ、俺も日直の代わりやるわ。一緒に終わらせよーぜ」
窓から吹き抜けた風が、太陽くんのキラキラした金髪を揺らした。
目を細め、笑う太陽くん。
すごい輝いて見える。
かっこいい…。
いや、じゃなくて!
「待って!大丈夫!!一人で出来るから…」
「お、敬語は卒業してくれたんだな。意外と早くて嬉しいっす」
わざと話を逸らす彼。
もうすでに歩き出し、水場に行ってしまった。
なに、これ…。
ドキドキが全く治まらない。
治まらない。
苦しくて、熱くて。
初めての感覚に、自分自身が戸惑う。
息が上手く、できない。
水を汲んで帰ってきた太陽くんは、優しく水を観葉植物にかけた。
葉に水滴を乗せ、窓から差し込んだ太陽の光によって、それは反射する。
その様子を見つめる太陽くん。
彼の横顔から分かるのは、とっても長いまつ毛。
「なんで昨日逃げた?」
「え?」
急に話を振られ、ビックリする。
き、昨日…?
「いや、別に怒ってねぇから怯えないで」
そんな風に見えてしまったのだろうか。
「あの、ね。ダメかなって」
「なにが?」
「私みたいな人が太陽くんと話すと太陽くんの友達は幻滅しちゃうから、かな。中学の頃そういうことあって、知ってるんだ。キラキラした人の側に地味な子がいると、キラキラした人に迷惑かけちゃうの」
話してからハッとなる。
何をペラペラと話してるの私!!
「あの!だからその…ごめん、感じ悪いよね」
「うん、感じわりぃ」
そこで、自分がどれだけ太陽くんに対して失礼なことを言っているのか気づかされた。
ほんと、何口走ってるの私。
「ごめん!気に障るようなこと言って」
「そうじゃなくてさ、自分を卑下してる広瀬が感じわりぃってこと。あと、俺の名前呼び間違えてるとことか?」
