「うん、よだれ」






宗 「はっ、うそ」






「うん、嘘」







ごめんね。なんか可愛くて意地悪しちゃった。




なーんて言えるはずもなく









「ふふ、柳田くん面白いね」









宗「なあ、その柳田くんってやめない?」







「え、じゃあ...柳田、氏?」








宗「や、誰だよ」







「えー、じゃあ」








宗「名前じゃだめなの?」






ダメじゃないけど。





「むしろいいの?」








宗「なんでだめなの?」








おお、さっきから疑問系ばっかりだな








「名前、下の名前って、なんか特別な気がしない?

だから、私が軽々しく呼んでいいのかなと」








宗「なんだよそれ」








また私を見て可笑しそうに笑う。







「宗生!」







試しに呼んでみたのはいいが、







あれ?






当の本人固まってるよ




見開かれた目からは目玉が落ちてきそう。






「おーい、しゅーうーせーいーくん?」







宗「あっ、ごめん。」









「あー、ごめん固まるほど嫌だった?

やっぱり戻す?」








宗「や、いい!!


これからも、そうやって呼んでいいから」








「う、うん」








なんでだろう。



一瞬、周りの空気が甘くなった。








ううん。きっとこれは夏のせい。









そう、夏の性