「...ずっと、待ってたの?」





まだ夏とはいえど




こんなとこに1時間もうずくまっていたら




風邪引いちゃうよ。




ごめんね。って、少しでも暖まるように




ギュッと抱き締めた。





翔 「うん、待ってた。」





遅かったね。




なんてまた優しく笑うから





胸が突っかかって何も言えなくなる。





翔 「どうしても、直接言いたくて」





「うん」





翔 「華」





そっと肩を押されて離れた身体




「ん?」





目と目が合って初めて気づく





君の目が潤んでる







翔 「俺、夢叶えたよ」




「うん」




翔「やっと、やっと。叶えたんだ」





熱を帯びた、掠れるような君の声





「うん...っ」




こっちまで熱が伝わって



思わず、涙が出そうになるのを堪らえる。




だって、今泣くべきなのは私じゃない。




翔 「華、ありがとう」






「なんで?頑張ったのは翔太くんだよ」





5年間、諦めずに頑張ったからだよ




翔「支えられてたんだ、華に。

ねえ、だからお願い。

――――――...で」





どしっと肩にかかる重み。




「翔太くん?」





すぐ耳元では寝息が聞こえて




「あっつ...!」




彼のおでこに手を乗せれば、熱い手のひら




重い彼を担いで、部屋に入れば




ベッドに寝かせて、タオルケットをかけた。