9月15日



夏の終盤を感じるような



涼し気な風が服の隙間を通る



季節が変わるのも早いよなぁって



彼が、オーディションを受けると言ったのは




まだ少し肌寒い冬だったのに




今はもう、夏も終わりを告げている





会場に着いたはいいものの





そこにはぎゅうぎゅうに詰め込まれた人達




大半は女の子




ああ、この中には翔太くんのファンもいるのか。




ふと、高2の学祭を思い出した




体育館の隅で彼を見つめてた私





...なんだ。






あの時と変わってない




でも、あの時みたいに



キラキラと輝く君をただ見つめるだけの私を





また君は見つけてくれるのだろうか。





ごめん。やっぱりいいや





いつの間にかに伝う





思い出し涙





バレたら、優しい君は心配するだろうし





君は、君のことだけ考えてればいい。





私のことなんて気にしなくていい。





そっと、頬の涙を拭ったら





一気に暗くなる会場






ライブハウスのような





さほど大きくないステージが青白く光った。