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高校二年のバレンタインから
ちょうど5年が経った
2月14日
お正月ムードだった街は
あっという間に、バレンタインに変わってた。
至るところにhappy Valentine!なんて
広告が釣り下がって
まだ寒い空気とは裏腹に
なんだか甘い雰囲気が街を包む。
私は大学4年生、翔太くんは社会人5年目で
たまーに、現場に通ればお弁当を届けたり
講義が午前に終われば、一緒に昼ご飯を食べたり。
今日は後者で
今年も、真っ赤な箱をカバンに入れて
彼の元へ向かってた。
そんないつも通りの午後12時32分
佐 「おー、翔太ー!今日も華ちゃんとお昼ご飯かー?
はぁーっ、羨ましいな、こんやろ!」
そう言って、翔太くんのお弁当を覗き込んで
楽しそうに笑っているのは
翔太くんの現場の先輩の佐々木さん。
頭に巻かれた真っ白なタオルが今日も眩しい
翔「とか、言って!佐々木さんだって奥さんの愛妻弁当じゃないっすか」
佐「んー?羨ましいかー?」
翔「ハハッ!間に合ってますって!」
こんな二人の掛け合いも
見慣れてきて
「ふふっ」
佐々木さんも、チョコレート貰えたかな。
なんて
私もしっかり、街の雰囲気にのまれてる。
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