高校二年のバレンタイン





白い息を吐きながら二人で帰り道を歩いてた





右隣ではなんだかそわそわしている君。





翔 「華ー」





「ん?」





翔 「なんか、言うことない?俺に!」







「...あ、今日体育で転んでたでしょ?

あれはないわー」





翔 「あ、見てた?いや、あれかなり痛かった。

...じゃなくて!」






翔太くんが言いたいこと、本当は分かってるんだけど



痺れをきかせて急かしてくる姿がなんだか可愛くて



ついつい、意地悪したくなる。





「...ふふっ」





あからさまに落ち込む彼に思わず笑ってしまった。





翔 「あー!華、絶対分かってるだろ!」





半分笑って、半分本気な翔太くんが




私の頭を優しく揺する。






「うん、ごめんね?はい!」





そろそろ可哀想になってきて





カバンから、真っ赤な箱を取り出した。