真っ白な雪が降るバレンタイン






街の至るところに、行事を盛り上げる看板がつり下がって




スーパーに行った時には、チョコレートコーナが圧倒的な存在感を放っている。




そんな中、私と百合さんは今日の鍋の具を漁っていた。




可愛い音楽が流れるチョコレートコーナー





楽しそうに籠にチョコレートを入れていく女の子たち。





「...可愛いなぁ」





もう、こんな時期だもんなあ。






百「あれ?華ちゃんはあげないのー?チョコレート!」





30代とは思えない、可愛らしさで



私をグイグイと突っつく。





「やめてくださいよー、貰ってくれる人がいないんですー」





毎年くるこのバレンタイン





あげるといっても、職場の人に義理チョコを




もちろん市販の。





百 「あちゃー、そうなの?」






「えっ、百合さんはいるんですか?」





今まで、百合さんの男関係は耳にしたことが無くて




興味が無いと言ったら嘘になる。





百 「こら、華ちゃん何気に失礼でしょ!

でも、いないからなんも言えないなぁー」




ふふって、笑うと



あ、これ安い!と鳥のつみれを籠にほおりこんだ。