百合さんのお言葉に甘えて





1週間ぶりの終電じゃない電車。





まだ賑わいをみせる、駅の中




電気屋のテレビの音が更にそれを引き立てる。







女「わっ、L'AILEだー!」




女 「ええ、うそ!録画してない!」







家電製品のテレビコーナーを通り過ぎた時に



ふと聞こえた、若い子たちの会話。




反応しちゃうなんて、私もまだまだだなぁ。







女 「智くん、いまウィンクしたよね!?」




女 「眞、ハンパないわぁ」





女 「えー、うち翔太派」





――――ズキッ





『翔太って呼んで。春川くんじゃ嫌だ。』





いまでも、すぐに思い出してしまう。




あの冬の夜の公園




隣でブランコを揺らしていたのが嘘みたいだね。





テレビに映るのは




『そう、聴いてる人をどれだけ惹き込ませれるか。

どれだけ、感動させられるか。

少しでも、何かを感じさせることが出来るか。

ここが勝負だと思う。』




あの時、誇らしく夢を語っていた君。