「赤くねぇーよ」



奈々ちゃんの言葉に、顔を不機嫌にさせそっぽを向いてしまう玲くん。



何が嘘なのかよく分からないが、目の前で怒るケンカにどうしようかと戸惑う。



「あ、そうだ!!これ、2人に渡そうと思ってたんだけど…」



口に合うかわからないが、奈々ちゃんにはいつもお世話になってるし、玲くんにも結城くんのことでたくさんお世話になった。



急いで作ったため、形が歪になってしまい一応持ってきただけで渡すつもりはなかったけど、これで2人が仲直りしてくれるならと思いカバンからクッキーを取り出す。



「ありがとう。結城のやつもあったのに大変だったでしょ?私も今度お返し渡すわね」



言い方は淡々としているが、ニコッとなかなか見せてくれない笑顔を見せてくれた。



喜んでくれて良かった!!



「え、これ…俺にくれるの…?いいの貰っちゃって」