「あっ!もうこんな時間だ。ヤバい、アタシもう帰らないと。」


マユミが、自分の腕時計を見て慌てて叫んだ。

気付けばケンタがファミレスに来てから、2時間程経っている。


「結局、何だったんだよ。」


ケンタは呆れを通り越して、もうどうでも良くなったかの様な気分だった。


「ケンタ君、今日は色々とありがとね。楽しかったよ!でもさぁ~、もうちょっとノリが良くないと女の子にモテないよ。」

「余計なお世話だ。お前にそんな事関係無いだろが。」

「まぁまぁ怒らないの。じゃアタシ支払い済ませとくね!」


マユミはレジで支払いを済ますとケンタに歩み寄り、急にケンタの耳元に顔を近付けて来た。


「助けてくれてありがとね。ケンタ君かっこ良かったよ。」


マユミは、去り際にケンタの頬にそっとキスをした。


「じゃあね!ケンタ君。また遊ぼうね~。」


マユミは小走りで、ファミレスから出て行った。

当のケンタは、何が起きたのか分からず暫くその場に立ち尽くしていた。