「ケンタ君も何か頼みなよ。コーヒーだけでいいの?」


「別にオレはハラ減ってないし。いいの!」

「もしかして遠慮してる?ここは私がおごるから気にしないでいいよ!」

「いや、だからハラ減ってないからいいって!」


ケンタには、何故マユミが自分を呼び出したのかがいまいち分からなかった。

だが、いつの間にかマユミのペースに巻き込まれてしまっていた。


「ねぇ、さっきのウェイトレスさん。私達の事カップルだと思ったかなぁ?」

「ま、まさか!そんな事は無いだろ。」

「えぇ~!全否定?寂しい事言わないでよ。」

「だからぁ。単にオレに謝りたいだけなら飯食う必要無いだろ?」

「いいじゃん!こういうのってその場の流れだって。」

「あのなぁ・・・。」

「ケンタ君が食べないなら、アタシはもっと注文しちゃうんだから!すいませ~ん!」

「まだ食うのかよ!?」

「だってマユ、お腹空いてるんだもん。」


二人のこんな掛け合いは暫く続いた。