「冗談だって~!反省してるってば。」

「ホントかよ?」

「ホントだって。信じてよ。ねぇ、そう言えばアンタの名前ちゃんと聞いてなかったよね。え~っと確か、ケンタ君?だったっけ?」

「あのなぁケンタ『君』って。オレはお前より一応年上なんだから敬語位使えっての!。まぁいいや、用件済んだならオレはもう帰るぞ。」

「え~!帰っちゃうの?せっかくだから何か食べて行こうよ。あ、そういえば自己紹介してなかったね。アタシ、『マユミ』って言います!友達にはマユって呼ばれてるけどね。」


一方的に喋り続けるマユミを前に、ケンタはすっかり帰るタイミングを逸してしまった。


「ね~?ケンタ君は何にする?アタシはね、スパゲティ!あ、店員さん、すいませ~ん。」

「ホントに注文するのかよ。」


ウェイトレスが、二人の所に来て注文を取る。マユミはスパゲティ、ケンタは取りあえずコーヒーを頼んだ。

「オレは一体何しに来たんだ・・・。」

陽気にはしゃぐマユミを目の前にして、ケンタは一人心の中でそう呟いていた。