ファミレスに着いたケンタは、女子高生の姿を探した。


「こっち、こっち!」


奥の席から、女子高生が手を振ってケンタを呼んでいる。

ケンタは女子高生の向かいの席に座った。


「お前なぁ・・・。いきなり呼び出しってどういうつもりだよ?」

「ホントに来てくれたんだ~!チョット嬉しいかも。」


ふざけた様に答える女子高生の態度に、ケンタは勢いを削がれてしまい怒る気を無くしてしまった。


「だから、何の用なんだ?オレを呼び出したのには何か理由があるのか?」

「う~ん、特に用は無いんだけどぉ。暇だったからかなぁ。」

「いい加減にしろよ!オレだって暇じゃないんだ。用が無いなら帰らせてもらう!」


ケンタは席を立ちかける。


「チョット待ってよ!アンタにお礼が言いたくってさぁ。」

「お礼って何だよ?」

「つまり~、助けてくれてありがとって事!アンタ私を見逃してくれたじゃん。何で?まさか私に一目惚れしちゃったとか?」

「お前・・・全然、反省して無いだろ。」