「…………」


これ、物凄く見たことがある気がするのだけれど。気の所為だろうか。




「………れ」

「おはよ」

「……、ユウキ?」



寝惚け眼で此方を見つつ、ぱちりぱちりと瞬きを繰り返すヒロヤ。

そんな中でも私は、ただひたすらそのピアスを目にした記憶を引っ張りだそうと思考を巡らせていた。






「………あのさ」

「んー?」


――――ドキッ





そんな無防備にならないで欲しい。

とろんと眠そうな瞼を擦りながら小さく欠伸し、私へと視線の先を伸ばすこいつ。


早鐘を打つ心臓が、煩い。

直視できなくて視線を外せば、「なんだよ」と奴が口にしたことで本来の疑問を思い出す。








「それ、そのピアス」

「……これ?」

「なんか見たことあるような、気が……するんだけど」






なんでこいつって、ふとした瞬間に物凄い色気を放ってくるのだろうか。

どくどくと脈打つスピードが速まる所為で、手当ての施された傷口がズキズキと痛みだす。



くっそ、悪化したら絶対にヒロヤのせいだ。