質問をおとしていく度に大仰とも取れるくらい動揺を見せる男。

そんな相手を見るたびに募っていく、あの日解放できなかった負の感情の渦。

こいつが犯人だって分かった訳じゃない。それは、分かってる。



――――でも、



「なんで殺した?妬みか?それとも恨みか」

「―――……、」

「兄貴はあと少しで親父の会社を継ぐはずだった。その人生を奪われたんだ、まだ22年しか生きてなかったのに」







否定も肯定も見せないその態度が、俺の神経を逆撫でしてしょうがねぇ。









湧き上がる激情に任せて男へと一歩一歩近づいていく。

いつの間にか立ち上がっていたみたいだ。それさえも、気付かなかった。

背後で尚もへたり込むユウキからずっと視線が注がれていることは知っていた。しかしながら、それを気に掛けることもできない。












「―――――死んでみるか?オマエ」













この感情をコントロールする術が、分からないんだ。