わたしはいつだってドキドキ、する。

抱きしめられることにも、名前を呼ばれることにも、恭ちゃんの少し高めの体温にも。


いつだって、慣れることなくドキドキする。



「なあ、はる」

「、ん」

「もっとおいで。」

「……え?」

「もっと俺んとこ、おいで。」



どういう意味かわからなくて、きょとんとしながら振り向く。
だけどその顔を見ればすぐに分かった。

恭ちゃんの、合図。



「恭ちゃん」

「うん」



――ぎゅっ。

今度はわたしが恭ちゃんの首に手を回して、思いっきり抱きしめる。


お互いの鼓動を感じられるくらい、隙間無く。
このままひとつになれるんじゃないかってくらい強く、強く。


そして首元にぽつりと落とすの。



「すき」

「うん、俺も」



恭ちゃんは満足そうに笑った。