──知り合ったときから大人だった人。どうにかなる、と、思うほうが難しいはずだった。




私が十歳のときのこと。

地域で催されているお祭り行事──よく知るそれに参加しないかと、友だちに誘われたのが大きな転機だった。




年に一度だけの貴重な観光行事。

県外からもたくさんのお客さんが見える日ということに加え、地元民の私たちにとっても楽しみな夏の風物詩。



見ているだけでも十分だったけれど、できるならば参加したい。
でも、参加の仕方がわからない。

だからこそ参加している友だちからの誘いが一番重要で、四年生になってようやくその声を掛けてもらえたあの頃は、嬉しくて仕方なかったのを今でも覚えている。