「何でいるの?」

定時で上がって、サッと化粧直しをしてオフィスを出たはずだった。

堀井さんは「お疲れ様です」と声をかけた時、まだデスクにいたのに何故か今は私が崎村くんと待ち合わせしたお店の前にいる。

「奇遇だねー」と言っているけど、そんなわけない。

同期会で使う店だから検討がついたんだろうけど…。
足、はやっ!

「崎村、久しぶり。
奇遇だな!一緒に良い?」

私の後にやって来た崎村くんに、笑顔で声をかけた。