出来る限り笑顔で堀井さん以外の皆さんに伝えると、微妙にピリついていた空気が柔らかになって「あら!はじめまして。堀井の母です。息子がお世話になっています」と元気な女性が一歩前に出てきた。

堀井さん!お母さん似!

その女性は堀井さんの女性版だった。
色が白くて目鼻立ちがスッキリしてそっくりだ。

「あ、私これから用事があるので失礼します。
堀井さん、また明日会社で。
ではごゆっくり」

私はその場にいた人に、会釈をすると荷物を取りにテーブルに一目散に向かう。

視界の端で堀井さんがテンパっていたけど、無視だ無視。