あれれ、なんにも聞こえなくなっちゃった。


身体中の痛みもだんだんやわらいできた。


真っ暗な視界の中で、だいすきな先輩の顔を思い浮かべる。


これってもしかして、死んじゃうかんじ?



こんなあっけなく?



あーあ、こんなことならテレビばっかり見てるんじゃなかった。

寝坊するんじゃなかった。
夜中までテレビ電話するんじゃなかった。
目覚ましだって携帯でかければよかったし、
お母さんが出かける前に起こしてもらえばよかった。
蒼の自転車じゃなくて走ってきたらよかったし、先輩にCDを貸すのは明日にしたらよかったな。


1個でも違ってれば、こうならなかったのかなあ?