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翌週、月曜日の昼休み、若菜とお昼ご飯を食べていると桜庭くんからメッセージが届いた。
『今日、一緒に帰ろう』
あれ? 今日は部活無いのかな? 私はそんな疑問を若菜に尋ねた。
「ねぇ、若菜。サッカー部って今日は部活休みなの?」
「え? ……あぁ。どうだろう。週末どっちも練習試合だと、月曜日は練習休みって言ってたけど……。ミーティングだけやるんだったっけかな……」
確かに桜庭くんは、土日どちらも練習試合だと電話で言っていた。そうか、週末どちらも部活で潰れると、月曜日が休みになるんだ。そこには納得したけれど、若菜の返事の歯切れが悪いのが気になって、私は小首を傾げて若菜を見る。
「ごめん、言ってなかったんだけど……。今、ちょっと距離置いてるんだよね」
「……そう、なんだ……」
いつから? どうして? と聞きたかったけれど、聞けずに終わった。
放課後、書道室でコンクールに出す用の作品を書きながら、何となく心が浮き足立っているのを感じる。
桜庭くんと、ゆっくり会えるの久しぶりだ。

