言いながら、どんどん自分が嫌になって、胸が苦しくて、泣きたくなる。

 それでも、私はひとつでも多くの鎧を身につけておかないといけない。それが急ごしらえでも、なんでも。

 もう既に、ボロボロなんだから。

 傷つかないように、沢山沢山理由を探して、その理由がどれだけ突拍子が無くても、荒唐無稽でも、みすぼらしくて惨めでも。ひとつでも沢山のものを拾い集めて身に纏わないと、立っていられなくなる。

「俺は好きだよ」

 桜庭くんの言葉に、私は微かに息を呑んだ。

 桜庭くんの手が私の頭に触れて、私の頭は桜庭くんの胸に引き寄せられた。私の額は桜庭くんの胸に当たって、私の身体はやんわりと桜庭くんの腕で包み込まれる。