スイート ジャッジメント【番外編、別視点公開しました】

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「瀬川ー。桜庭」

 そんな事があったのにも関わらず、翌日の始業前に、桜庭くんがやってきた。

「本日は、瀬川はお休みですって伝えてください」

 三好くんに返すと「瀬川、それ桜庭に丸聞こえだから」と苦笑いを返された。

「いいからこっちにおいで、とわ」

 戸口から桜庭くん本人に呼ばれて、私はようやく席を立った。

「なにか御用でしょうか」

「とわ、怒ってる? 俺 何かした?」

 何かした? 何かしたって…… 私はため息をつく。この人は本当に、二股とか全く意識していないんだ。

「何もしてないけど」

「何もしてないなら、なんで昨日は先に帰ってたの?」

「気分悪かったから」

「…それなら一言くらい連絡頂戴? 今日はもう大丈夫?」

 私の顔色を確認するように、桜庭くんの手が私の顔にかかっていた髪を避けたので、私はその手を払い除けた。

「とわ?」

「触らないでよ」

「どうして? 変だよ、とわ」

「変なのは桜庭くんだよ。 付き合ってる人が居るなら、彼女でも無い私ににこんな事しないでよ」