「書道部……だったんだ。それでか。……えーと……、その節はすみませんでした」
「いえ、こちらこそ、その節は麗しい御尊顔にボール投げつけたりして、本当にすみませんでした」
憮然とした表情で棒読みで返す羽純に、湊が「うわ、めっちゃ怒ってる」と零す。
そんな2人に私の頭の中では、?マークが踊る。
「なんの、話?」
私が尋ねると「だってさぁ……」と羽純は私の机の端に頭を乗せる。
「腹たってたんだもん。めっちゃムカついてたんだもん。とわのこと散々泣かせといて涼しい顔しやがってクソ野郎って思ったんだもん」
「すみません」
「私、言ったじゃん。とわ 怒ってないよって。泣いてるよって。どの面とかないよ。その面でいいよ。なんなの、しれっとここにいるし」
「だから、謝ってるじゃん。すみませんでした」
二人の話がさっぱり見えない。

