半年も前だよなんて笑えなかった。私の背中に回ってきた湊の手は、私の身体の無事を確認するように、私の身体のあちこちを撫でていく。
なにも伝えあえない電話だけで終わった文化祭の翌日のやり直しをするように、私達は抱き合ったまま泣きながら話をして、何度も唇を重ねた。
そして。
まさかの。
書道室にきた瀧先生に、見つかった。
ドアが開いた音がしたその瞬間に、私の頭は湊の腕と手で強く抱き締められて、視界に映るのは湊の胸元だけ。誰が来たのかすら分からなかった。
僅かな間があって、男の人の声が聞こえた。
「すっげぇ、びびった」
それは、まったく普段の瀧先生らしくない台詞だけれど、確かに瀧先生の声。私は一気に頬が熱くなるのを感じた。
「あー、ええと……さーせん」
応じたのは、湊の相変わらずの緊張感がない台詞。
瀧先生に本当に申し訳ない。