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職員室に戻ると、瀧先生と私の担任の後藤先生、学年主任の藤原先生に教頭先生と、勢揃いして私を待っていた。昨日電話で瀧先生は、展示を作り直しにだけって言ったけれど、本当はこっちの方が目的だったんじゃなかろうかと思う位。
「桜庭は、居た方が瀬川が安心するだろうし、同席して構い……ませんよね? 」
瀧先生は、他の先生方に確認をしつつも明確な返事は確認しないまま椅子を2つ引いて、私達に座るように促した。
「桜庭も一緒にいて構わないから。瀬川の話に合わせて、桜庭に聞きたいことも出てくるかもしれないし。
僕は、これを書道部に置いてきますので、後藤先生先に始めていてください」
若手の瀧先生が席を外すと、並んでいる先生方の平均年齢が一気に上がった気がして、おじさんに囲まれると自分がすごく悪いことをしたような、ちょっと事情聴取みたいで怖い。
瀧先生が桜庭くんの同席を許して行ってくれて本当に良かった。
そう思っていたら、先生方には見えないテーブルの下で桜庭くんの手が私の手を包み込んでくれた。
先生方からの色々な質問や確認は1時間近くに及んだ。最も聞かれても心当たりも何も無いので、分からないことばかりで、大した返事もできなかったのだけど。

